酔っ払いと公衆便所

アカン吐きそうや

香具師渡世


昭和の銀次 - YouTube

世の中便利になっていかがわしいものやインチキなモノが減って少し寂しい。昔祭りに行くとインチキなモノがたくさんあった。侍姿の男が日本刀を持ち さあさ よってらっしゃいみてらっしゃい。この刀たるや名刀カネサだの業物中の業物。その切れ味たるやごらんあれ。一枚の紙が二枚 二枚が四枚 四枚が八枚 八枚が十六枚 と言って最終的に細かく切った半紙をぱっと散らし。この名刀で我が腕切るやどうなるか? と言ってすっとあさく腕を切る。するときられたところから血が出る。 ここに持ったるや筑波の四六の蝦蟇から絞った秘薬。ヒト塗りして手ぬぐいで覆うと傷がほとんどなくなる。また自分の腕に裁縫針を打ち込んで突き通す。でそこにまたその軟膏を付けると針が無理無理っと浮き上がってくる。それをみせて 筑波の悲報四六の蝦蟇の油、打ち身 切り傷 捻挫 打撲 火傷 肩こり 何でもござれ。 といってその日のうちにうっぱらいつぎの縁日までかおも見せない香具師テキ屋。売ってるモノも蝦蟇の油なんかでなくただの馬油。パフォーマンスも体張ってるにはリスクが大きい筋肉運動にすべてをかけたインチキである。ただ見てて楽しいのは良いことである。

ただ私も催眠商法のジャーマネという香具師渡世人稼業を始めたのは21の時。100円でモノを配って爺様婆様にさんざん健康食品を売りつけ三ヶ月で姿を消す。因果な商売をヤっていて五年間インチキしまくったのである。

最初にやるインチキは決まっていて。ハムの実験である。やすいハムと高いハムを用意して二つにヨウ素液をかける。ヨウ素はでんぷんに反応するのでやすいツナギまみれのハムはおっそろしくまっけろになる。高いハムは変化がない。それを見せてどっち食べたいねえねえとやり、あげくの果てにはこの黒くなった原因は科学物質、食品添加物にあるんですとぶち上げるのである。でんぷんなのに。でみんなうちで扱っているデトックス商品を30万40万で買うのである。ぼろい。浄水器なんて売るときも、ふつうの水道水と浄水器の水で塩素濃度を測ってみせるのだが、ホームセンターで熱帯魚用の顆粒の塩素測定薬を買ってくる。お客さんの前で水道水にそれを入れる。紫になる。塩素入ってますね。で今度は浄水器の水に入れる透明である。塩素はいってませんね。問題ないように見えるが実はうちの浄水器は塩素とれませんねん。インチキだから。なぜ透明になるか。コップの下にひとつまみラムネをしいとくのである。ラムネのビタミンcが測定薬の色を消すのである。なので見た目は違うのだがコップの中身は二つとも塩素入りのモノである。でお客さんはただ水を濾過する機械を70万くらいで買って みずおいしいわあ と毎日太平楽に暮らすのである。まあ今までよく殺されなかったもんである。蝦蟇の油もかなうまい。
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