酔っ払いと公衆便所

アカン吐きそうや

ダメ人間たちの日曜日


Brian Setzer - Earl's Breakdown - YouTube

今日も悪魔の時間が来てしまった。高齢依存症者寮の日曜日はとても忙しい。朝の洗濯、パン喰い戦争がおわると平日ならデイサービス的な施設に送り出してしまえばその後は比較的ゆっくりできるのだが日曜日はかたぎの人たちがお休みとあってデイサービスも手薄になってしまい、結果として20人近くの高齢依存症者がの寮に残るのである。

これの面倒を見るのはとても大変で朝飯が終了したら速攻で飯をたき、昼食のカレーの準備にとりかかる。合間を縫って入寮者が服用している処方薬を飲ませる。手渡しでも構わないのだが飲まずに半年分ほど貯め込む爺。他に人間にお金かタバコで譲渡する爺。相撲の勝ち負けで博打をしかけ金の代わりに薬で支払う爺。それがもとで体がおかしくなり入院する爺。オーバードーズして意識不明のまま近くの病院で眠れる森の爺。ろくでもない爺ばかりである。

去年だけでも4人誤嚥でなくなっているし今年になってももう3人癌でイッている。最年少が50代最高齢は75歳。高齢だから仕方ないのかもしれないがあまりいい気持ちはしない。なのでこちらで処方薬は管理を徹底して行う。とくに向精神薬なんかは密売の温床になりやすい。この前入寮者の処方売人爺の部屋をガサ入れしたところ「ベルソムラ」という眠剤。200錠発見。押収。別の爺は痛み止めの「トラムセット」「ロキソニン」「リリカ」などを大量所持。年寄りなのであまりアッパー系の「サインバルタ」や「アルプラゾラム」は人気がないようで特に足腰の痛みが取れてちょっとふんわりできてよく寝れるというモノが良いようである。知らんわそんなもん。そんなジジイたちの相手をしつつカレーを食わせたらもう夕飯。間に合わないのでレトルトのカレー。食わせたら処方飲ませてあとは知らん。勝手にしやがれ。ジャズパンク。他の寮で誰か刺されたって聞いたけどしらない俺にはカンケーねー。で悪魔の時間である。激烈な疲労感。自殺願望。マックスなストレス。誰かやらせてくんねーかなという願望。それらが押し寄せてきて俺の心は壊滅。ココロのフクシマ。メルトダウン。酒が飲みたい。どうしても。さきっちょだけでもいいから。
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しかし因果なもんでこんな飲酒欲求をやり過ごすのに一生をかけるのがアルコール依存症である。ベルセルクのガッツみたい。
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上記の爺さんたちもアルコールの欲求から気を紛らわすために結果的に処方依存になったケースがほとんどである。アルコール依存症になるととにかく睡眠に貪欲になる。私の場合もとにかく学校に行きたくないというストレスから不眠となり社会人になっても同じく会社に行きたくない休みの日は朝の六時から朝の六時まで飲んでいた約二十年。精神病院で処方薬をガッツリもらいそれを肴に毎日ブラックアウトするまで飲み始めてからはもう止まらない。ある日会社に行くために革靴を履こうとしたらどうしても蝶結びができない。あらこれはいかんと何度もやり直していたら夕方。携帯には着信の山。たまたま通りかかった父親が自分の顔を見て驚愕。髪はボサボサ目は黄色。体重は43キロまで落ちていた。精神病院に通院から入院に以降である。三ヶ月後完全に酒を断って退院。その後一ヶ月は何もなかったが家族が同じ病気で他界。三人分の葬式が終わった頃保険金が2000万入ってしまったのである’。一般的な健常者の方は大事に貯金。投資信託にでもあずけると思うがこちとら学校もろくすぽ通っていない親の葬式にも「トルネードマート」のギラギラスーツでウイスキー片手に参加するパンクスである。何を買ったか?PS4である。その時遊んでいたのは「アサシンクリード」暗殺者のゲームで普通こういうものは強い武器を手に入れるためには強力な敵を倒すものだがこのゲームはクレジットカード決済で最強の武器を買えるのである。金もたんまりあったので仕事もやめてゲームに没頭。その後龍が如く0というゲームを始めたこれがまずかった。シナリオでキャバクラを経営しなければなくなってしまったのである。俺の店は閑古鳥。なんとかせねばと実地調査しようということになった


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人生キャバクラ初体験。これを成功させるためにまずはカッコから。Paul Smithでスーツを三着仕立ててもらう。全然金が減らない。いざキャバクラ。そこはとても楽しい空間で私はノリノリで「ふたりでお酒を」や「ラヴイズオーバー」などを熱唱。最初からフルタイム。シャンパンなどを開けていたのでモテモテでした。しかし深夜零時のシンデレラ。待ってましたよお会計。40万。まあ予想していたので支払う。その日以降タガが外れたようにキャバクラに通うようになってしまい2000万あった貯金は半年で底をつき精神病院役所のお世話になりその顔に泥をぶっかけてここにいる。だから酒を飲みたくなったときはそのことを思い出す。世の中なんとイッても銭である。あってるのかなこの方法。