酔っ払いと公衆便所

アカン吐きそうや

木瓜の花

今年35になり来年36になる。去年と比べて私の何が変わったのかと言うと約一年ほど酒を絶っているのである。コレは過去類をみない断酒記録の達成と言って良い。大変ごっついことである。いままで楽しいにつけ 悲しいにつけ 飲み干してきた酒であり、飽きっぽい私が20年飽きずに続けていた物が飲酒である。

お酒飲む人 花なら蕾 今日もさけさけ 明日もさけ とはよく言ったもんで私の頭にはボケの花が咲き誇ってしまい、幻覚 幻聴 があたかも現実のように襲いかかり、手のふるえ 金縛り 異常な発汗 胃炎 腸炎 下痢 吐血 頭痛 老眼 勃起障害 と因果の限りの生活を送ってきたのだが二年前にアルコール依存症という診断をくだされ、退院後も再飲酒をくりかえし今回は長い入院なのでなし崩し的に11ヶ月にわたる断酒になっている。繰り返すようだがこの11ヶ月で何が変わったか?頭の中にはコロポックルがグングン踊っているし、セイレーンの歌声は聞こえっぱなしだし、手はぶるっぶるふるえるし、毎日金縛りに合うし、胃腸は丈夫になったがちんぽは立たぬし、老眼はグングン進み 東海林さだおの丸かじりシリーズを読むのも一苦労である。なので一番変わったことと言えば酒を飲む時間がなくなったことと酒に対する興味の変化である。入院して3ヶ月目は飲みたくて仕方なかった。そのあと3ヶ月は激烈に酒を憎んだ。いまはどっちでも良くなってしまったのである。 じゃあだめじゃねーか!! だまらっしゃい!!! この飲んでも飲まなくてもどちらでも良いという心境はまさに明鏡止水の境地である。 激烈に酒を欲することなく拒むこともない。 アルコール依存症にとってこれは普通の人間と同じ感覚でありこの感覚を取り戻すために20年、酒に飲まれてきたのである。20年近くもかかって体も脳味噌もがたがたのかたわになった。ただ不思議と後悔はしていない。酒に頼って生きてきた時間。それ以外に選択肢を与えられなかった、自分で選べなかった時間。まあ落ち着いたとこに落ち着いたなーってかんじである。今日私は人生ゲームという卓上のゲームをピッチピチの看護学生と遊んだ。コレが大変おもしろく、私はサラリーマンから一転大金持ちに。子供も六人ほど作りビッグダディぶりを発揮して一位でクリア。人生逃げ切ったのである。ポケットの中にはタバコが6本。これで今週やりきらなければならない。激烈にウイスキーを飲みたくなったよ私は。
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