酔っ払いと公衆便所

アカン吐きそうや

湿っぽいタイムトリップ。

同年代くらいの人と居酒屋で手っ取り早く盛り上がれる話題の代表は、「もしいついつくらいまで戻れるなら?」と言うエスエフ妄想話である。この話題にはいくつか条件があって、必ずと言っていいほど 学生時代へのタイムトリップ。自分の現在の記憶の補完。とりあえずセックス。 この3つがそろわないと盛り上がらない。でも話が進むにつれどんどん方向は辛気くさくなっていく。 あのときもっと勉強しておけば。もっと積極的に告白しておけば。コンドームをきちんと装着しておけば。と皆華やかな人生の大舞台に上れず、中小企業の営業マン。介護士。ニート。になってしまった自分を嘆くのである。

で。この話題を話し始めると 皆戻りたいのは中学生くらいだな。と言うことがよくわかる。思春期まっただ中の明るい未来と持て余した性欲を抱えた中学生である。そこにみなタイムトリップしたがる。15歳くらいかな。今私が35歳なので20年前ですか。もし戻れたら一番最初になにするか?自殺しますね。

15歳の私は、勉強もできず、女にももてず、コンドームをつける隙のないくらいの童貞アニメオタクだった。そんな状態の産業廃棄物に記憶だけ移しても人生の挽回は不可能だし、その後の人生の悲惨さを考えると自殺が一番いいと思う。私は盛り上がりより先に絶望を感じてしまうのであまりその話題になっても盛り上がらずお湯割りなんかをちびちびやってその場をやり過ごすようにしている。辛気臭いことこの上ない。この20年で変わったことと言えば、酒を飲むようになったこと。たばこを吸うようになったこと。ブラック企業に勤めるハメになったこと。鬱病アルコール依存症が本気だしたこと。入れ墨を彫ったこと。だけで15歳の頃と比べても進歩しているどころか全力で後退しているのである。全く恐ろしい。ただ良いことはセックスできたくらいで、当時15歳の少年が16歳で童貞とさよならするなんて夢にも思うまい。よかったね。でもそれだけである。ただ20年前も不景気だったが今も不景気が続いている。色々進歩したモノもあるが一番進歩したのは整髪料ですかね。

うちは祖父が比較的シャレオツな人だったのでいろんな整髪料があった。ポマード、ジェル、ムース、スプレー、クリーム、ディップ、チック、色々あった。私も16歳でこのままじゃいかんと思いオタクからv系ファッションにへんげし髪の毛をいじるようになった。しかし当時の整髪料でできた髪型は、センター分け 7:3分け オールバックのみでv系の人はとても複雑な髪の毛をしていたのでまねるのも一苦労だった。そこで売られ始めたのはジェレイドのヘアワックスだった。無造作ヘアの誕生である。しかしこのワックス緩い小麦粉のようなワックスでセットしてもキープできないのである。よくハードスプレーでがちがちにしていたものである。今は良いねワックス自体も質が良くなって十分それだけでキープできる。まだジェルとかムースとか売られてるのを見ると懐かしくなります。ポマードは今でも使ってます。これくらいかなー20年って。
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