酔っ払いと公衆便所

アカン吐きそうや

左肩の鉤十字


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私の左肩にはタトゥーが彫ってある。私は特別 主義 主張 なんてたいそうな物はもっておらずただのノンポリでヤクザ屋さんやDQNでもなくただの気の小さいパンクである。

何故そんな不自由な物を入れたのか?酔った勢いだったんです。

私はその日、朝からホテルのバーカウンターでウヰスキーを飲んでいた。場所は社員旅行で訪れた タイ プーケットと呼ばれるふざけた名前の土地だった。んで。前日に散々ソープランドを梯子して、四発くらい抜いてもらい酔っぱらってホテルに帰ったのだが、二日酔いになるのが怖かったのでシャワーを浴びたその足でバーカウンターにいき飲んでいた。死んだ方がよい馬鹿者である。

するとバーのマスターが「あなた何歳?」と聞いてきたので「21歳」とこたえると「タイの若い人昼間働く。日本人酔っぱらう良くない」といわれ、居心地の悪くなった私は「うっせえなあわーったよ」といいウヰスキーのボトルと鞄を持って金を払って外にでた。

太陽が燦々と輝きまぶしくて熱い。しばらく飲みながらふらふら歩くと十歳くらいの子供が「タバコ買わない?」と言ってきた。 あって困るもんでもねえよな と思いチップと代金を払いビニールに直入れされているタバコをもらいまたしばらくふらふらと商店街などを冷やかし、買ったタバコを吸った。

するとなんか変なのである。とにかく物が柔らかく感じられて立っていられないのである。 こりゃ変なところに酒が回ったのかも知らん。と思い。転倒を避けるため近くの建物に手を突いた。すると「ズボッ」といって手が建物に埋まってしまったのだ。びっくりして引き抜いてみると元通りになっている。こら不思議、こらおもろいていって色んなところでずぼずぼしたくなり商店街じゅうをずぼずぼして周り、少し疲れたので公園で休憩と思ったらベンチで五時間ほどねてしまいあたりは真っ暗になっていた。 帰るか。 と思ったがまたずぼずぼしたくなり商店街へ。ふらふら歩いていると 入れ墨 一万円 入ります の看板があり何故か入店。 例のタバコを吸い、ウヰスキーをのみ店内の人みんなハッピーで出来上がり。金を払ってホテルに帰った。同僚から「どこ行ってたんだ?」ときかれ「入れ墨ほっとった」というとど突かれた。

かなりぺろんぺろんで次の日を迎え全く何も思い出せず 風呂にでも入るか とバスルームに行くと吃驚した。 タトゥー入っとる。 しかもナチスドイツの鉤十字。ハーケンクロイツである。ヨーロッパに行ったら即逮捕である。 あちゃー と思い私は例のタバコに火をつけて浴槽に沈んだのでした。アルコールは恐ろしい。

入れ墨自体日本では、ある特定の職業の人が入れ初めそれが広がったという事。その職業は、大工と漁師である。どちらも命がけの仕事である。事故や緊急の際身元が分かるように入れ初めたのが始まりで大工なら転落事故。漁師なら海難事故。体はぐちゃぐちゃであるただ入れ墨が入っていれば この柄は何某さんだ。 と一発で解るのである便利。

友人に金融業をヤっている人がいて興味深い話を聞いた。闇金で焦げ付いた人の回収方なのだが入れ墨入れて暴力団の人にうっぱらうそうである。たとえば100万円焦げ付いたら200万の入れ墨をいれ350から450でヤクザ屋さんにうっぱらう。足を洗うためには500万以上の金が最低でも必要であり一生望まない形で極道する債務者の人もいるそうである。怖い。ただタトゥーを入れるのは痛くないチクチクするくらいである。リストカットするくらいならタトゥーを入れた方がいいと思う。金かけたらだいたい止まるからね。