酔っ払いと公衆便所

アカン吐きそうや

バカの死に様

確か十年くらい前に妹が自殺した。理由はうつ病と拒食症による人格の崩壊。大量にアルコールを飲み数十日分の抗鬱剤トランキライザー睡眠薬を服用し、ご丁寧に川に飛び込んだ。なんて念入りな自殺なんだろう。しゅごい。母もその三年前に同じように川に飛び込んでる。母は末期の胃ガンだったためモルヒネと抗ガン剤の副作用でラリラリに鳴り車で家を脱走。んで川。どんだけかわ好きなんだよ?!と思った。

妹の自殺の原因は高校受験。身の丈に合わない進学校に教師、両親に進められて進学。したのはいいが一学期の終わりには完全な落ちこぼれ、友人も一人もできずに母が友人の代わりになっていた。高校時代はとても孤独に過ごしていたそうな。まったくバカなことである。私のようにパンクにでもなって陽気にへらへらしていりゃぁ良かったのだ。しかし家出同然でうちによりつかず、たまに帰ってきたと思ったら祖父のパイプタバコとサングラスを借りて「野坂昭如ゴッコ」をしながら酔っぱらっている私を観て、妹は心底羨望の眼差しをおくるか、軽蔑の眼差しをおくるかしていたに違いなく、そのため融通の利かぬ馬鹿者になった可能性もあり「じゃあそれって俺のセイカヨ」と思ってももうこの世のヒトではなくなってしまったため、私にできることといったらテレサテンの償いを歌いながら屁をこくくらいしかできないのである。特に私は身内に対しては異常な憎しみを何故か抱いており、父が妹が川から引き上げられたと半泣きで電話を入れてきたとき私は、眼鏡屋の店員でなおかつ一枚10万円のレンズの失敗できない加工中だった。なのでそれどころちゃうわと電話をガチャ切りし加工を再開。集中していたので加工は大成功。外にセブンスターを粋に出かけ一服。「そういえば妹死んだんだっけ。忌引きで連休もらえるじゃん!」と思い「妹が死んだんで帰ります。」と店主に言って帰宅し、一週間ほどよけいに休み、アウトレットに行ったり、ラーメン屋に出かけたり、酒を飲んだりして過ごしました。さすがに通夜、葬式は出席せねばならすニヤニヤしながら酒を飲んでいたところ冷ややかなシセンガシュウチュウ。「やってらんねえバカやろう」といい葬式を中座して家でウィスキーとプレステでいい感じになりそのまま寝っ転がり不貞寝しました。何故そんなにやけくそになっていたかというと、妹の堅実さや真面目さに嫉妬してたんですね。ぽくちゃんは。そのときよりこんなおぞましい遺伝子は残したらあかんと自分の足跡すら残したらいかんとおもい「なにも生まず、なにも育まず、なにも残さず」を座右の銘として生きてきた。しかし親、配偶者、金などかなり未練のある物はすぐなくなるくせに、クレジットカードの履歴、税金の督促状、エロ動画の地雷PDF、2ちゃんねるの悪評などはなかなか消えずなかなか無用のヒトになって生きるのは大変かも知らんと思い始めました。
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